希望にみちた入学。そして未来を意識し始めたときに感じた失望

5日間で約1,000人を施術します 私とカイロプラクティックの出会い
5日間で約1,000人を施術します

仕事を終え、授業開始に遅れないよう急いで学校に向かう日々が始まりました。

希望に満ちた学生生活

学校のカリキュラムは全部で2年間。
解剖学や生理学、X線分析・内科学、臨床生理学などの勉強。
実技ではカイロプラクティックのテクニック、筋肉調整などを学びました。

とくに興味をひかれた科目は、解剖学です。人の体の仕組みを神経や骨、筋肉など内側から紐解いていく感じが好きで、いかに私たちの体が精密に作られているかを学ぶのがとても面白かったのです。

その頃、『人体の不思議展』なるものが開催されいて、検体解剖の展示を何度も見に行きました。

テクニックの勉強は楽しかったのですが解剖学が分かっていないと、検査で背骨を触診をしていても、どこに触れているかさえ分からないので意味がありません。

カイロプラクティックのテクニックを習得することはもちろん大切ですが、そのベースにあるのは解剖学などの知識なのです。

講師の先生に「カイロプラクティックを理解し、患者さんに満足してもらう結果を出すためには神経の専門家になる必要があるよ」と言われたのが今でも印象に残っています。

大学の浪人生以来の勉強で、学ぶことはとても新鮮で面白く、 あっという間に過ぎ去った2年間でした。

面白く熱中する期間を過ぎて…

しかし、学生生活も残り半年となった時点では 、カイロプラクティックで食べていくのは正直難しいかなと思っていました。

その理由は2つありました。

一つは技術面でのことです。

学校のテクニックの授業では実際に矯正をしてはいけないという規則があったのです。
安全面を考えると当然のことなのかもしれませんが、これではいつまでたっても習得できるようになりません。

カイロプラクティックの本場アメリカでも同じような規則があるとのことでしたが、それでも解剖学や神経学、テクニック習得するためにつぎ込む時間が桁違いなのです。
最低でも4年。平均すると5~6年間かけてメディカルドクターと同等かそれ以上のものを学び卒業します。

たとえ卒業後すぐに開業できたとしても薄っぺらい知識と型だけを真似たテクニックでは、辛い痛みなどの症状を抱えた人が来てくれても、自信をもって施術なんてできっこないと思ったのです。

もう一つは資金面です。

開業資金はそれほどかからないと聞いていましたが、ある程度まとまったお金は必要です。
すでに開業していた先輩によると最低でも300万円。経営が軌道に乗るまでの運転資金などを考えると500万円はあったほうがよいとのことでした。

開業を目標にしてきたのに・・・

このように知識・技術・資金すべて足りていない状況でしたが、当時は卒業したらすぐにでも開業してやるんだという気持ちで入学していたので、厳しい現実を知り、落ち込みました。

また、仕事と学業の両立は想像していたよりも大変でした。

仕事を17時に終え18時から21時まで授業。テクニックの自主トレをし、帰宅して寝るのは深夜1時。平均睡眠時間は5時間くらいでした。土日もセミナーへの参加やテスト勉強をしたりと、常に何かに追われているような日々を過ごしていました。肉体的に楽ではない中、卒業後の希望も失いつつあったので、体調がよいはずもありません。

接骨院通いで腰痛はかなり良くなっていたものの、 寝不足も続き、先の見えないストレスからアトピー性皮膚炎や頭痛などは悪化していきました。

さらに辛かったのは、過呼吸の症状でした。
ある時、高速道路を運転中に症状がでました。すぐにサービスエリアに入れたため、この時は事なきをえました。しかし、運転中に発作が出て救急車で運ばれたこともありました。病院ではストレス性のものなので、ゆっくり休んでくださいと言われるだけでした。

専門学校時代の最後の半年間は先が見えず、体調も悪く、卒業してもこのまま公務員を続けるんだろうと思いながら過ごしていました。

この時期を振り返ってみると

この時期は目標を失いそうになり、また体調もわるく非常に大変な時期でした。

次の記事で書く

師匠に出会うまで、闇の中をもがき苦しんでいたような気がしていました。

しかし、ここで辛い経験をしたことが後の施術に生きてきたと思う出来事がありました。

次の投稿では、自分の師匠に出会ったことを書こうと思います。

ここで、いまも心の中に残る、多くの言葉や技術をいただいたと思っています。

ぜひ、また読んでいただけたらと思います。

 

タイトルとURLをコピーしました