約3ヶ月にわたった休園や休校、 外遊びの制限による子供のストレスや体力低下を心配されている保 護者の方も多いのではないでしょうか。
そこで、『子供の姿勢を守る』をテーマに、 6回にわたり姿勢についてのお話しをしていきたいと思います。
姿勢と子供の体調不良
家にいる時間が増え、 スマホやゲームをする時間が長くなったことで、姿勢が悪くなり、 肩こりや頭痛を訴える子の来院が増えています。
運動する時間が減り、筋力低下で体幹が弱くなり、 さらに姿勢が悪くなるという悪循環になっているようです。
姿勢が悪くなれば、子供でも肩はこりますし、頭痛も起きます。
朝起きられない、 食欲不振などの体調不良も目立ってきていますし、 視力の低下も心配ですね。
学校が再開しましたが、 生活リズムの変化についていけないお子様も多いのではないでしょ うか?
できるだけ早く順応していくためにも、姿勢を整え、 体調を良くしていきたいですね。
なぜ姿勢が悪くなるのか
良い姿勢を取ることはとても大切ですが、
そもそも、 姿勢はなぜ悪くなるのか?
それが分かれば、対策も立てやすくなりますね。
姿勢が悪くなる理由は主に2つあります。
①日常生活の動作は、ほとんど下を向いて行うから
料理、食事、勉強、ゲーム・スマホの操作など。 朝起きてから寝るまでの間、 上を向いて行う動作はほとんどありません。
②重力がかかっているから
意識的によい姿勢を取らなければ、 背中は少しずつ丸くなってしまいます。
脳は丸くなった姿勢の関節と筋肉の動きを覚えてしまい、 悪い姿勢が定着してしまうのです。
とくに成長期の子供の骨や関節は、若木のように柔らかいため、 悪い姿勢の影響を強く受けやすいのです。
側わん症の原因にもなることもあります。
しかし、姿勢が心配だからといって、 スマホやゲームを取り上げたりするのは、現実的ではありません。
まずは姿勢が悪くならないための環境を整えてあげることをおすす めします。
子供達の姿勢を守るために今日からできる3つのこと
①スマホやゲームはイスとテーブルのある環境で行う
床やソファで良い姿勢を取るのは、とても難しいです。
スマホやゲームはイスとテーブルのある環境で行うようにしましょう。
イスでやっても負担がなくなるわけではありませんが、 首が完全に下を向いてしまうのは避けられるので、 床よりは負担が少なくなります。
②休憩をとる
ゲームやスマホをする時は30分おきに休憩を取ってくださいと言 いたいところですが、 それは我が子を見ていても現実的ではないように思います。
しかし、1時間に1回、最低でも5分の休憩を挟みましょう。
トータルの時間を減らせればベストですが、無理な場合は、 とにかく定期的に休憩を取るようにしましょう。
定期的に休憩を取れないなら、 ゲームはさせないという約束が必要かもしれませんね。
また、 気がついたら続けて2時間もやっていたなんてことがないように、 タイマーをセットし、 鳴ったら一回立ち上がって休憩を取りましょう。
その際にストレッチなどで身体をほぐしたり伸ばしたりできたら良 いですね。
姿勢改善に効果的なストレッチは2回目のコラムでお伝えします。
③良い姿勢を取るためのグッズを活用する
バランスボール、スマホホルダーなどを利用し、 良い姿勢を取りやすい環境を作っていきましょう。
冷蔵庫などに磁石で貼れるタイプのスマホホルダーも販売していま すので、時々立ちながらスマホをしてみてはいかがでしょうか?!
姿勢改善のエクササイズなどはとても有効ですが、 まずは少しでも悪い姿勢にならないような環境作りをお子様と一緒 に考えてみてください。
次回は理想的な姿勢についてのお話しをしていきたいと思います。